一服、その言葉に秘められた歴史
「まあ、お茶でも一服召し上がって下さい」お客様がお家にお越しになったときに何気なく使うこの言葉。実はこの「一服」には、お茶の歴史が隠されているのです。
皆さんのお家に家庭用の常備薬はありますか?一度、その裏をご覧になって下さい。「食後に○粒、服用」などと書いてありませんか?また、急な痛みを和らげる薬を「頓服(とんぷく)」ともいいますね。服するとは、本来は薬を飲むときに使う言い回しなのです。
どうしてお茶と薬を飲むのに、同じ言い回しを使うのでしょうか?
それは、お茶が日本に伝わった歴史と関係があるからなのです。
お茶はもともと、中国で栽培され、飲まれていました。その、お茶の種や喫茶習慣を日本に伝えたのは遣唐使として大陸に渡っていたお坊さん達だといわれています。
日本にお茶が伝わった最初の頃(奈良時代)は、大変な貴重品で現代のに嗜好品として飲んでいたのではなく、儀式に飲んだり、病を患った高位の人々に薬と献上されていました。
祈祷したお茶を飲んだところ、病が治った…そんな、話がいくつか伝わっていますが、今のように衛生状態が良くない時代には、カテキンの持つ殺菌効果や感染予防の力が現代人の私たちが感じる以上に効果を発揮したに違いありません。
その他にも修行中のお坊さんの眠気覚ましにも使われていたようですが、これはお茶に含まれるカフェインの効果を利用したものです。
薬が今のように簡単に手に入らなかった時代には、お茶は妙薬として大変重宝されていました。その名残を現在に伝えるのが「一服」なのです。
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